時は1997年。
一人の女子高生が、自分で宅録して音源を作った。
それがRocket or Chiritoriだ。
多分オレと同年代ながら、当時の自分が
聴いたら「なんだこの下手っぴは?」で
終わってたと思う。
けど、今の自分には刺さった。
このローファイで不安定なリズムも全て
かすむ程に素晴らしいポップセンスを
感じるからだ。
チープさが、より光るモノを強調してる。
タイムリーに『渋谷系』を体現する最期のアーティストだったのかもしれない。
低い音程から入ってから、もう一瞬で
「おっ」と思わせるメロを披露してくる。
サビあたりから高音になっていって、
♪Pa Pa Paの連呼になっていくんだけど、それが全く楽しげになっていない。
それが凄いなと思った。
そこに存在するのは緊張感なのか??
もう十分に魅力が伝わった後半に、まさかの展開を見せる。
その♪Pa Pa Paの前に新たな美メロを
新たに加えてくるんだ。
完全に油断してたわ。
もうすっかり虜になってた。
最高じゃん。
もうマインドはパンクよ。
当時は海外でも一部ファンがいたようで嬉しい。
この才能に今さらながら気付けてよかった。
洗練された音楽ばかりが良いわけじゃない。
どっちもあっていいんだよ。
その人のツボに刺されば。
[AL/TOKYO YOUNG WINNER 収録]