『2ステップの貴公子』と呼ばれ、
2008年くらいに、ヨーロッパで一番の売上を誇ったソロアーティストが、このクレイグ・デイヴィッドだ。
2ステップとはダンスミュージックの一部で、ざっくり言うと一小節内のリズム音の、一拍目と三拍目にアクセントを持たせる手法で、その他のベース音などがルーズになっているのが特徴。
現在は廃れたジャンルで、それを含めてR&Bと括られている事が多い。
そもそも明確な音楽ジャンルなんて、自分は無いと思ってる。
演歌こそロックだ‼︎という人もいるし。
そのクレイグ・デイヴィッドの過去5枚のALを網羅したベスト盤が素晴らしいんだな。
2ステップなんて死語になった今でも、新しく聴けるからスゴイ。
その中でも、特に哀愁際立つこの名曲を紹介したい。
客演に、あの元POLICEのスティングを迎えたこの曲。
この哀愁ハンパないギターフレーズは、スティングの"Shape of My Heart”という曲のモノ
(映画「LEON」の主題歌)で、その使用許可を打診した所、スティングが曲を気に入り、自らコーラスにも参加したという奇跡な一曲。
この曲にShape of My Heartのギターフレーズは必要不可欠だ。
コーラスと言いつつも、冒頭からスティングで始まるのが面白い。
結構ソロの時間も長いし。
そこからクレイグが入ってくる所がツボ。
しっとり歌い上げる様が最高なんだ。
あのスティングすら引き立て役にしている。
サビとも取れるスティングのパートも、半音上げたり下げたりしていて、本当にセンスを感じてしまう。
ビジネスライクなフューチャリングなら、ここまでしないだろうな。
哀愁ってのは、日本特有なモノではないんだなと知らしめてくれた一曲だ。
上質で大人なR&Bだと思う。
[AL/GREATEST HITS 収録]