自己満的音楽生活ノススメ

「今日の一曲」と題しまして、自分の好きな曲を勝手にレビューします。あまり批評はせず、好きなトコだけ語ります。

Standing There-いま、そこに行くよ/bonobos


日本のダブバンドであるボノボ

ダブってのは、リズム音にリバーブやディレイかけたような音楽で、1つの音が波のように続いていくような感じと表現できるだろう。

ボノボはリズムだけじゃなく、いろんな音にリバーブかけたような曲が初期の頃よくあった。

なんか取っつきにくい音楽なようだけど、ボノボはそれを踏襲しながらも、よりPOPさを強調してるから、かなり聴きやすいと思う。

実際ダブっぽくない曲も沢山出してるしね。

今回紹介するStanding Thereも、ダブっぽくない曲に部類されるだろう。

ボノボ流の、極上のラブソングだ。

今は脱退してしまったけど、ギター佐々木康之(通称コジロー)が作詞/作曲した曲。

このコジロー脱退は正直痛かった…

本当にいろんな名曲を生み出していたし、ボノボがメジャーシーンで活動できたのも、コジローの才能ってのがあったと思う。

この曲の話に戻ると、大事な恋人に語りかけるようなセリフがたくさんあって、それがすごく優しい。

そう!
ボーカル蔡忠浩の声が、優しいんだ。

恥ずかしくて言えないような言葉も、蔡忠浩ならスーッと入ってくる。

主人公が等身大で向き合ってる様が、思い浮かんでくるよう。

音が減って蔡忠浩が際立つ、落ちサビの所は鳥肌モンだ。

本当に万人ウケするであろう名曲だから、是非聴いてほしい。

この曲はベスト盤(Pastrama)にも収録されてるけど、自分的にはカップリングに60分もの日比谷野音でのライブ音源が収録されているシングルがオススメ。

ちなみにbonoboってのは、ピグミーチンパンジーの別名らしい。

そーいえばボノボのバンドロゴにも、よく猿がモチーフになってたりするな。

[Sg/Standing There-いま、そこに行くよ-収録]

Love Addict/中島美嘉


10代にてセンセーショナルにデビューし、一躍歌姫と評されるようになった中島美嘉
その頃からもうボーカリストとして卓越したモノがあったと思う。

そして2003年、20代となって初めてのシングル曲がこれ。

当時CDTVのチャート紹介で一節だけこの曲を聴いて、本当にカッコいいなと思った。

それもそのハズ、調べたらプロデューサーはあの大沢伸一(MONDO GROSSO)だった。

曲全体として妖艶な雰囲気がある三拍子のクラブ・ジャズチューン。
元々、中島美嘉本人もジャズが好きらしい。

アダルトな曲の中での主人公は娼婦である。

『腕の中で、明日の男を想う』

…20代になってすぐ、こんな歌詞を書けちゃうんだ中島美嘉

その才覚を引き出したのが大沢伸一だとしたら、やはり彼は稀代のプロデューサーと言えるだろう。

特に印象に残るのは、Bメロの美しさと、サビで最後転調する所だ。

その転調する部分での、
『愛に狂う女は美しい』

そこのフレーズがこの曲全てを物語っている。

往年の名曲には、その人にしか歌えない曲ってある。

すぐ思いつくのは、中島みゆきの「時代」みたいな。

このLove Addictも中島美嘉じゃないと扱いきれない曲だと思う。

7分を超える長尺な曲ながら、全く聴き飽きさせないから凄いね。

[Sg/Love Addict 収録]

チャオ!/金星ダイヤモンド


深夜バラエティ番組”あらびき団”で、この金星ダイヤモンドを知ってから、この曲がたまに脳内リピートするようになった。

そんな椿鬼奴が率いる金星ダイヤモンドは、

椿鬼奴〈Vo.〉/全作詞
*金剛石琴音〈Gt.〉
*高井5キャラット〈Ba.〉
*トモモーリス〈Dr.〉

女性3、ドラムの男1の4人組バンド。

いわゆる”テレビの企画モノ”ではなく、割と本気で椿鬼奴がやっていたガレージバンドで、結成は2004年とキャリアはしっかりあって、2014年までにアルバムを2枚リリースしている。

現在はもう活動してないみたいだ。

アルバム内でも一番印象に残ったこの曲。

イタリアっぽいフレーズを羅列してるだけなんだけど、それがなんか面白い。

リスペクトしてんのか、ディスってるのか…

「チャオって言ってみな」(椿鬼奴)
「Ciao‼︎」(コーラス)
グラッチェ!」(椿鬼奴)

メンバー内で、コール&レスポンス笑))

この掛け合いが脳内リピートしてしまう。

曲調は、裏打のリズムで刻むガレージロックティスト。

CD音源ではオルガンとサックスも入っている。

中盤になると急にブルース調になり、アダルトな雰囲気にシフトする。
そこでも渋く、コーヒーの種類を繰り返すだけ。斬新。

そこからロックティストに戻る所のギターがカッコイイ。

この1stALはもう廃盤になっていて、現在入手困難で、原盤も行方知れずらしい。
一応iTunesにはあるみたい。

ちなみに、2ndALには「チャオ!2014」がある。

[AL/ヴィーナス★ダイヤモンド 収録]

The Gift/Hi-STANDARD


今回は番外編で、一曲ではなくアルバム単位でレビューします。

2017年10月4日にHi-STANDARDが新譜となる4thALを18年振りにリリースした。

そのCDを買って2日間くらいは、歌詞カードとクレジットを眺めるだけで終わった。
そして、満を持して通して聴いた。

「カッコイイ‼︎」「最高‼︎」そんな感情より先に出て来たのは、率直に「嬉しいな」だった。

アルバムを出して、全国ツアーをやる。

そうなった時に、初めてお帰りなさいハイスタ!と思えたのかもしれない。

聴く前に肝に命じてたのは、前作とは比べないって事だ。

年齢やキャリア、その他の紆余曲折を経験したメンバーが90年代のような流れでアルバムを作れるわけがない。

今のハイスタを堪能すればいい。

そのテーマは”世代を超えろ”だろう。

一曲目からその意思は歌詞にも顕著に表れていて、五曲目くらいまで、正にハイスタ節が炸裂している。

そこから中盤の流れが好きだな。
ストレートなパンクだけではなく、活動休止などを経たメンバーの経験則が曲に表れてるなぁと思った。

コーラスのKenサンが冒頭メインボーカルを取る曲もある。
それはハイスタ初だ。

カバーは二曲あり、どちらも今のハイスタらしいアレンジだ。

何故ハイスタが聴き飽きないかは、卓越した演奏力、アレンジセンスにある。

これからもっと聴き込んで、いろんな事を発見したいと思う。

2000年初頭、ハイスタ活動休止に打ち拉がれていた自分に伝えたい。

「大丈夫、ハイスタは裏切らないよ!」

青いイナズマ/SMAP


『愛すべきカバー曲Week』も今日がラスト。

好評だったと思い込み、また今度やります!

とりあえず今週の締めはSMAPの”青いイナズマ”

森且行が抜け、5人体制になって初めてのシングル曲。96年リリース。

「最後なのにカバーじゃねぇじゃねーかYo!!」

ってお思いのアナタ…これ実はカバー曲なんですよ!!
自分も、実は去年知った。

林田健司”というシンガーソングライターの曲で、曲提供だけではなくSMAPがリリースする2年前くらいに自身でもCDを出している。

つまりSMAPのは、れっきとしたカバー曲ということになる。

それと同時に驚きなのが、

KANSHAして
《$10》
君色思い

これらも、林田健司のカバーなのだ。

SMAPの功績は自分がどうこう言える次元ではないが、影の功労者とも言える林田健司というミュージシャンを知ってほしかった。

特にSMAP飛躍のキッカケになった《$10》がなかったら、SMAPはここまでになってなかったかも。

もし「SMAPの名曲は?」と訊いたら、きっとみんないろんな曲を挙げてくれるだろう。

けど、「カラオケで一番盛り上がるSMAPの曲は?」と訊いたら、みんな「青いイナズマ‼︎」と答えてくれるだろうね。

[Sg/青いイナズマ 収録]
原曲-林田健司-

SMAP ver.

LET ME IN/LEARNERS


古き良き60'sのオールディーズの楽曲を現代風にリバイバルさせ、いろんな音楽を提供してくれるラーナーズ。

正直ラーナーズがカバーしてくれる曲は、ほとんど知らない。

だからこそ勉強になるんだな。

バンマスのCHABEサンの懐の広さが窺える。

ゴキゲンなロカビリーテイストが定番なラーナーズだけど、今回の曲ではバンド初のカントリー調な仕上がり。

The Sensationsという、正に上記の通りに1960年代に活動していたアーティストのカバー曲である。

超絶グレッチ使いの女性ギタリストCHIEサンも、なかなか苦労したらしい一曲。

ボーカル紗羅マリーの呟きから、急にグッとエンジンがかかる。

そこで全て持ってっちゃうね!!

やはり、カントリー調だけあってベースが常に全体を引っ張っている。

とにかく演奏が全て楽しそうなんだな。

ぐちゃぐちゃしてる中でも、卓越したスキルがしっかり垣間見えるバンドだから、聴いてるこっちもニヤけてしまう。

原曲は尊重しつつも、良い意味でブッ壊して自分のテイストにしてしまう。

それも全て、愛があるからだね。

原曲よりも、ラーナーズのCDの方がテンポが速い。

それ以上にライブだとテンポが速い!

そこはドラムのさじ加減なんだろな。

どんなテンポでも対応できるラーナーズは素敵だ。

つか、ラーナーズでの紗羅マリーは本当にカッコイイ!!
生粋のフロントウーマンだ!

[AL/MORE LEARNERS 収録]
原曲-The Sensations-

LEARNERS ver.

Aria/The Reign of Kindo


本日発売されたミニスーパーファミコン

自分はモロにスーファミ世代だから、もちろん買った。

それに収録されているFFⅥに「アリア」という曲がある。
単なるゲームミュージックと片付けてはいけない名曲だし、名場面だ。

それはオペラの曲で、スーファミでここまで表現できるのかと小学生当時に驚愕した。

今見ても素晴らしいシーンである。

そこに英訳詞をつけて、自分達のテイストにカバーしたのがThe Reign of Kindoというバンドだ。

FINAL FANTASY TRIBUTE-THANKS-というコンピCDがあるんだけど、それの初回盤に、タワーレコードヴィレッジバンガードのみ「RARE SQ」というCDが特典で付いた。
10曲くらい収録されていて、それ単体でも売れるような内容だった。

それで知ったこの曲が、本当に良かった。

初めて聴くバンドで、調べるとNY在住のピアノジャズバンドらしい。

カバーする時に大事なのは、原曲に愛はあるのか?
この曲のアレンジには愛が溢れている。

ミュージカルの主人公のような哀愁のある男性ボーカル。

そこに対する演奏にストーリーを感じる。

適材適所での楽器の使い分けが素晴らしい。

その場面で必要な音を表現し、必要なくなれば消えていく。

例えば、どこか幻想的な雰囲気の冒頭ではコントラバスを使い、ダークさを表現して、突き抜けてきた所ではピアノとアコースティックギターを前面に出してくる。

最後のアウトロでは、中音域を強くしたエレキギターが曲を締めてくれる。

その音とフレーズに、この曲とファイナルファンタジーに対するリスペクトを感じた。

本当にこの曲が好きなんだなぁ。

オークションくらいでしか、もうこのCDを入手できない。

ちなみに下記YOUTUBEのサムネイルは間違っていて、表示される「Cafe SQ」にこの曲は収録されていない。

[V.A/RARE SQ 収録]
原曲-FFⅥ アリア-

The Reign of Kindo ver.