往年の歌手が昔のマイナーな曲をカバーする時って、当人にとってそれがルーツミュージックだったりする傾向あると思う。
矢沢永吉がどうなのかは定かではないが、
この曲に少しでも影響されてきたのかなと思う。
今回は、そんな一曲を紹介したい。
この曲の原曲は弘田三枝子という歌唱力に
定評のあった歌手が64年に発表した一曲。
…と思っていた。
けど、調べると実は弘田三枝子がオリジナルではなく、元々はイタリアの歌手Minaという人の「Un buco nella sabbia」って曲だったらしい。
しかも直訳すると「砂に掘った穴」
オリジナルだと思ったらカバーだったって
よくあるね。
これがイタリアの歌と知って合点がいったことがある。前から違和感を持っていた歌詞だ。
あなたが私にくれた 愛の手紙 恋の日記
それの一つ一つのものが 偽りのプレゼント
60年代の歌謡曲にしては、突っ込んだ歌詞だなぁと思っていた。
けどイタリア語歌詞を漣健児という作詞家が
翻訳したと知って納得。
矢沢永吉の話に戻ると、彼はロックミュージシャンだ。
けど激しい曲ばかり評されていたら、今の
地位は確立されていないと思う。
珠玉のバラードがあってこそ、初めてロックミュージシャンになれるんじゃないかなと思う。
そこがロックとパンクの違いかな。
とにかくこの曲を歌う矢沢永吉の優しい表情が大好きなんだな。
しっとりと丁寧に歌いあげている。
弘田三枝子バージョンをカバーしてるんだけど、リスペクトをすごく感じる。
隠れた名曲と言っていいと思う。
自分が調べた限りで、音源化はされていない。
[DVD/EIKICHI YAZAWA-VOICE-Acoustic Tour 2002 収録]
原曲 -Mina-
矢沢永吉 ver.