自己満的音楽生活ノススメ

「今日の一曲」と題しまして、自分の好きな曲を勝手にレビューします。あまり批評はせず、好きなトコだけ語ります。

ホームにて/中島みゆき


今や、中島みゆきの名曲といえば『糸』と思う人は多いだろう。

自分も中島みゆきを聴くキッカケになった曲は『糸』だった。

ただ、今よりかなり遡る。

98年のドラマ「聖者の行進」にて、中島みゆきの『命の別名』『糸』がテーマ曲になっていて、この2曲が入った8cmシングルがリリースされた。
聴き惚れて、中島みゆきのCDを初めて自分で買ったのを覚えている。

10年以上経って、Bank Bandがカバーして、
瞬く間に広まった。
なんか当時好きな曲が一般に認知されていくのが嬉しかった。

その後に数多くのアーティストがカバーしてるけど、後乗り感があって全く響いてこない。
Bank Bandで歌う桜井和寿の『糸』だけにリスペクトを感じるんだ。

その『糸』に匹敵する名曲がある。

それが今回紹介する曲『ホームにて』

発表されたのは自分が生まれる前の1977年。

まず歌詞に着目した。

ふるさとへ向かう 最終に
乗れる人は 急ぎなさいと
優しい 優しい声の駅長が
街なかに 叫ぶ

この文面だけで、その情景が浮かんでくる。

面白いのは同時に疑問も残る点だ。

都会から、故郷へ帰省する人達が見えるけど、優しい声の駅長というフレーズからは、都会が連想できない。

そして、乗れる人はいう事は、そこにいて乗れない人もいるという事だ。

急ぎなさいとあるから、満員で乗れないわけでもなさそうだ。

これだけで、いろんなイメージができる。

それとやはり、哀愁のあるメロディーだ。

冒頭の♪ふるさ〜とへ〜〜
の部分だけで名曲だと確信できた。

サビまでの流れが本当に綺麗なんだな。

70年代だから、中島みゆき本人の歌声は今より若いけど、力強さは健在だ。

槇原敬之・T字路s・手嶌葵高畑充希なども
カバーしているね。

後世に残したい一曲である。

[AL/あ・り・が・と・う 収録]
※動画なし、iTunes試聴あり。
http://recochoku.jp/song/S21992540/?affiliate=4299010893

ホームにて

ホームにて

明日も/SHISHAMO


今年の紅白歌合戦出場歌手が発表された。

今回盛り上がるかは、安室奈美恵が出るかどうか、その可否で決まりそうな予感。

そして毎年気になるのは初出場アーティストで、今年のラインナップにSHISHAMOの名前があった時は、なんか嬉しかった。

名前は知っていたけど、聴いたことないバンドだったんだけど、

「今、若者に何が流行ってんだ?」

SHISHAMOッスね」

このdocomoのCMでこの曲のサビを聴いて、
素直に良いなぁと思った。

世間に広く認知された後のミュージックステーションでの生演奏を見て、ボーカル宮崎朝子の声に魅了された。

この歌声は、人を惹きつける何かがあるなと。

CDで聴いてみると、イントロからホーン隊が入っていた。

実は結構長尺な曲(6:09)で、SHISHAMOって
漠然と学生がコピーしやすいバンドなのかなぁと思ってたら、この曲は転調を繰り返す一筋縄ではいかない仕上がりになっていた。

イントロ・A/Bメロは高く、サビは少し下がる。

展開が単調じゃないから、長尺な曲でも聞き飽きないんだな。

イントロでもホーン隊は別のメロディーを乗せている。

そのアレンジも凄いセンス感じる。

この曲はJ1の川崎フロンターレの試合観戦時に、宮崎朝子が思いついたらしく、歌詞も平日は仕事や学校で大変でも、週末は自分のヒーロー(好きなサッカーチーム)に会いに行ける!!
という内容で、サッカーチームだけじゃなく、個々が思う色んなヒーローを投影できる。

現在、この曲が川崎フロンターレのチャント(応援歌)としてスタジアムで大合唱されている。

娘を子に持つ親は、もし娘がバンドで食っていく!と言ったら大半は反対するだろう。
でもどうせやるなら、SHISHAMOみたいになってほしいと願うだろう。

[AL/SHISHAMO 4 収録]

My Favorite Things/Jabberloop feat.青木カレン


新進気鋭のクラブジャズバンド!!

そんな触れ込みでデビューしたJabbaloopというバンドがいる。

確か地元タワーレコードでデビューアルバム「and infinity jazz…」を試聴して、一発で好きになったバンド。

クラブジャズというより、打ち込み色が強く、ハウス寄りのジャズバンドって印象だった。

その後に、ゲストボーカルとのコラボや他方面のアーティストと共演した楽曲を集めたベスト盤がリリースされ、それがとても良かった。

今回紹介するのはジャズシンガー青木カレンを迎えた一曲。

原曲は、ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』の劇中歌。

正直この曲は、ジャズ界ではスタンダードな
ナンバーで、世界的サックスプレーヤーの
ジョン・コルトレーンの曲だとばかり思っていた。

モダンジャズはあまりわからない自分でも、
この曲は知ってたくらいだ。

そんなスタンダードな曲をどういう風にアレンジするのか楽しみだった。

まず青木カレンのアカペラから入る。

そこで挨拶代わりに伸びやかな美声を聴かせて、そこから演奏に入っていく。

あくまで主役は、ボーカルの青木カレンなんだと認識させる。

そこから踊るようなピアノと管楽器が入ってきて、大人な雰囲気を出していく。

打ち込みはなく、ハウス感はない。

音の違う管楽器二つをユニゾン(同一の音)させてるあたりにセンスを感じた。

要所で音を抜いたり足したりしていて、
アレンジに自信を感じさせる。

この2アーティストの相乗効果は凄い。

[AL/Infinity Works 収録]

原曲-The Sound of Music-

Jabbaloop feat.青木カレン ver.

今すぐ欲しい/倖田來未


倖田來未が「エロカッコイイ」という新たな
スタンスで、広く支持されていた2006年に、
12週連続シングルCDリリースするという企画があった。

「結局その後に、それらを網羅したアルバム出すんだろ〜」って思ってたら、案の定アルバムがリリースされたのを覚えている。

その第9弾がこの曲で、タイトル見た時に
マジか⁉︎と思った。

1997年にR&BシンガーSugar Soulが出した曲で、MCとしてラッパーのZeebraが参加している。

歌詞がまず、かなりエロい。

エロい歌詞なんてそんな珍しくはないと思うけど、女性側がストレートに愛欲を求める歌詞には当時ショックを受けた。

そして、このレビューをするにあたり、もう一度CDのクレジットを見てみると、この曲に限ってはSugar Soul自身が作詞に関わっていないことがわかった。

なんか安心してしまった自分。

曲自体はベースラインをループさせた、
ミディアムテンポで、どこか女性の気持ちを男に語りかけるような歌い方が特徴的なんだな。

そんな好きな曲を、倖田來未が雑にしてしまうのかと思いつつ聴いたら、良いカバーだった。

トラックもベースラインは踏襲しつつ、
ドラムのステア音などは原曲より高くなっている。BPMも少し高めかな。
それにより、幾分明るい印象。

思ったよりも、良いカバーじゃん!!

クレジット見てみたら、それもそのハズ。

Sugar SoulのDJ HASEBEプロデュースじゃないか。
それなら変な風になるわけない。

原曲への愛はしっかり感じたよ。

(ただ、最近の小沢健二"ラブリー"のカバーは、マジで酷かった)

[Sg/今すぐ欲しい 収録]

原曲- Sugar Soul-

倖田來未 ver.

tears of the BANANA/pitcher56


今から10年くらい前に、女性ボーカルのギターポップバンドを漁ってたことがあった。

確か大好きなバンド「メトロトリップ」を
キッカケに、ハマっていったと思う。

その過程の中で、ネット情報から気になる一文を発見した。

『バナナの涙』を軽快にカバーしたpitcher56

そもそも、バナナの涙という曲は、1985年からテレビやっていた「ハイスクール!奇面組」というギャグアニメのエンディング曲。

このアニメ自体は自分自身タイムリーではなく、今40代くらいの人が学生時代に見ていた世代だと思う。

けど、この曲だけは強烈に覚えていた。

アイドルの、おニャン子クラブから派生した、高井麻巳子と岩井由紀子のユニットである
うしろゆびさされ組」の曲。

作詞:秋元康 作曲:後藤次利のゴールデンコンビ

うわぁ…このカバーはメッチャ聴いてみたい。
バンド名は、ピッチャーゴロでいいのか?

けど、ネットで調べてみると、この曲が収録されているアルバムは既に廃盤になっていてAmazonでもプレミア価格で、手が出ない。

つか上記の文言だけしか情報ないから試聴も出来ない。

変なカバーだったらガッカリなのに、高値で買って失敗はしたくない。

そんな事を思いつつ、地元郡山のタワーレコードにダメ元で行ってみたら普通に売ってた。
地方でよかった〜〜

聴いてみると、インディーっぽいチープさが良い意味で際立っているギターポップに仕上がっている。

ただ一番際立ってるのは、オルガンだ。

このオルガンのアレンジにオリジナリティーを感じ、原曲への愛が見えた。

歌詞も英語にしてるのがピッタリだ。

CDリリース当時、メンバー全員医学生で、現在は医師として従事してるらしく、主だった活動はもうしていない。

[AL/a direction of the ball she hit 収録]

原曲-うしろゆびさされ組-

pitcher56 ver.

THAT THING YOU DO!/SHAKALABBITS


てっきりオリジナルかと思っていたら、
実はカバー曲だった。

それ、あるあるですね〜〜

特にバンドだと演奏アレンジのセンスよりも、選曲センスあるか?が大事だと思う。

もちろん選曲良くても、原曲を愚弄するようなカバーもあるけどね。

それには愛やリスペクトを感じない。

現在では活動休止が発表されている、
シャカラビッツが2003年にリリースしたシングル曲を、その当時TSUTAYAでレンタルして聴いていた。

そしてカップリング曲に衝撃を受けた。

それがこの曲だった。

「こんなカッコいい曲メンバーの誰が作曲したんだろ?」
とクレジット見てみると外人の名前が…

そこでカバーだと初めて認識した次第。

映画に疎い自分は知らなかったんだけど、
俳優のトム・ハンクスが初監督した
すべてをあなたに』という映画があり、
そこで使われていた曲らしい。

若者がバンドで成功していくシンデレラストーリーみたいで、その作中で活躍するThe Wondersというバンドの曲。

その楽曲は一般公募で決まったようで、
アダム・シュレンダーというカナダ在住の人が作曲したみたい。

原曲はノスタルジーさ溢れる曲なんだけど、それをシャカラビッツはパンキッシュにアレンジしている。

Aメロの裏打ちのスカっぽいギターなんかは、シャカラビッツっぽい。

最近になってMVあったの知ったけど、
カメラワークが特にカッコいい。

[Sg/Pivot 収録]

原曲-The wonders-

SHAKALABBITS ver.

Pineapple Princess/かりゆし58


沖縄出身のバンドといえば、MONGOL800
一番に連想される。

その次くらいに、かりゆし58かな。

母への感謝を素直に綴った曲「アンマー」が
スマッシュヒットした、現在も沖縄在住の4人組バンドである。

どこかで一度は耳にしたことあると思う。

ストレートなロックというより、沖縄民謡っぽい音階を軸に、レゲエやロックの要素を取り入れたような音楽。

今回紹介するのは、ディズニーのキャラクターである『スティッチ』のアニメで使われた楽曲を、日本のロックバンドがカバーしたコンピCDからの一曲。

インディーからメジャーなバンドまで、幅広く収録されていて面白い企画モノ。

正直、スティッチはキャラとしては知ってるけど、アニメでは見たことないから、殆どの楽曲は知らなかった。

今回の、かりゆし58のカバーもそうだ。

原曲はアネット・フニセロという50'sから60'sにかけて活躍したアーティストで、アメリカっぽいガールポップな仕上がりになっている。

作詞作曲は、ディズニーの映画音楽に広く携わる、シャーマン兄弟(Sherman Brothers)という人達らしい。
プロレスラーみたいな名前だな。

1960年代に、同曲を日本の「田代みどり」という歌手がカバーしてるみたい。
60歳前後の人は、より知ってる曲なのかも。

かりゆし58は、よりサーフミュージック感強めのハワイアンテイストにアレンジしている。

それがとても気持ちよかった。

まんま英語じゃなく、日本語で歌っても面白かったんじゃないかな。

[V.A/ROCK STITCH 収録]

原曲-Annette Funicello-

かりゆし58 ver.